風邪に抗生物質?
抗生物質って使ったことありますか?
風邪ひいた時にもらったことある方多いのではないでしょうか。
そもそも風邪とは何か?
一般的に上気道炎を風邪(感冒)と呼びます。
上気道炎とは、細菌やウイルスが口や喉の粘膜の細胞に感染し、炎症を起こすことです。
気道の上の方で起こるから上気道炎なんですね。
気道の下の方だと気管支炎、更に下になると肺炎と重症度が上がっていきます。
抗生物質ってどんな薬?
抗生物質と言うと、「生物を倒すもの」のように聞こえますが、
実際には抗菌薬、つまり
細菌をおとなしくさせる、増えさせない、殺すのいずれかの作用を持つ薬
のことを言います。
細菌とウイルスは構造から全く異なるので、
抗菌薬はウイルスを撃退できません。逆もまた然り。
また、
この抗菌薬は感染を起こしている部位の悪さをする細菌のみに作用する
なんてミラクルは起こしてくれません。
人間の腸には100兆個の細菌がいると言われています。抗菌薬はこの腸内細菌にも作用してしまうのです。
結果として、普通の常在菌が攻撃されて、撃退され、生き残った抗菌薬の効かない耐性菌が常在菌のいない間に増殖する…
というリスクがあるわけです。
抗菌薬はいつ使うのか?
一昔前までは、風邪といえば抗菌薬!でした。
しかし、抗菌薬は風邪の大半の原因であるウイルスには効果がありません。
結局は自分の免疫力で治してる事になるわけです。
だからと言って、抗菌薬が悪い物というわけではありません。一般的に細菌感染はウイルス感染よりも重症になりやすいです。そこでその細菌に合うと思われる抗菌薬を使用して行くことが大切です。
この思われると言うところが難しいところではあるんですよね…
それについては長くなってきたので別の機会に続きます。
結局風邪の時はどうするか?
様子を見て病院に行くことはもちろん大切ですが、
風邪の時は
- 体を休める
- 必要以上に解熱剤を使わない(免疫細胞は約38℃で特に活性化する)
- 水分をきちんと取る(取れるなら栄養も取る)
を基本として、その上で必要に応じて薬で治していくことが大事です。
もちろん、高熱が続いて辛い、頭が痛くて眠れない等薬を使わないと逆に悪化しそうな場合は解熱鎮痛剤を使って構いません。
(小児のインフルエンザでは、アセトアミノフェンしか解熱鎮痛剤は使えません!)
風邪を引いたら、ゆっくり休むことが何より大切ということですね。
子どもが許してくれる限り……